山下達郎 PERFORMANCE 2022 10月27日(木)NHKホール
69歳にして全く衰える事のないその歌唱力、演奏能力、パフォーマンスを目の当たりにしてきました。
名曲の数々を音源に限りなく近い形で再現するスタンスは、ミュージシャンとして素晴らしく、ファンとしても嬉しい限りであります。
ミュージシャンはどうしても歳を取るとキーを下げて歌うとかアレンジを変えたりするのですが、山下達郎さんの場合それが全くない。
30年前の曲でも40年前の曲でも、当時のクオリティを保ちつつ、大人の魅力を加えて再現されます。
お見事としか言いようがない。
背後を支えるバックバンドの方々との意思疎通もバッチリで、温かいやり取りに見ている方も心が和みます。
舞台セットも凝っていて見ていて飽きる事なく、エンターテインメントとしても完璧なステージでした。
素人でも楽しめそうなセットリストでしたので、どんな世代の方も思いっきり楽しめるステージでした。
あの名曲やあのカヴァーや、まさかのあんな曲まで!!!
※セットリストを記載したいところなのですが、ツアーは来年まで続くそうなのでネタバレ防止のため止めておきます。
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私は50代なので客層としてはまだまだひよっこで若輩者なのですが、山下達郎世代とも言えるであろう昭和30年代生まれの方々に混ざっても違和感なく思いきり楽しんできました。
この世代の方達は本当に熱いですね。
客席は半数以上が社会人の頃にバブルを経験されてきたであろう方々なので、皆さん余裕のある楽しみ方が素敵でした。
ナイスミドルなおじ様と、オシャレで上品な奥様って感じのご夫婦が多かった印象。
皆さんお若い頃はカーステレオで達郎をBGMに湾岸飛ばしたりしてたんだろうなぁなんて妄想したりして、シティポップ全盛期を体感している60年代全盛期であるリッチな人達がちょっと羨ましく思います。
こちらはツアー限定で販売されている直筆サイン付きCDです。
“SOFTLY”は山下達郎の通算14枚目にして2022年6月に発売されたアルバム。
69歳にしてオリジナルアルバムを出すバイタリティは素晴らしい。
音源としては既に持っていたのですが、思い切って今回、初回限定版を改めて購入しちゃいました。
奥様である竹内まりやさんのCDも同時に購入しました。直筆サイン付きでお得感アリアリです。
さて…。
山下達郎さんは豊島区池袋出身ですが、実は文京区の本郷生まれです。
文京区の都立竹早高校を卒業されたという経歴もあり、文京区でもなじみ深いお方です。
以前にもこちらの記事に書きました。よかったらどうぞ☆
http://www.northern70jp.tokyo/article/yamasitatatsuro.html
都立竹早高校は、文京区でも難関上位の都立高校です。
隣接している国立の東京学芸大学附属小学校・中学校及び幼稚園とはまた別の都立高校になります。
山下達郎さんが都立竹早高校に進学した前年は、東京都で学校群制度が導入された年でもありました。
学校群制度が導入された背景として、東京大学等の学力の高い大学進学者が地域別になるべく均等になるよう、同区内の学校群の学力格差をなくしていこうという意図があり、試みとして行われたそうです。
この制度がまだ導入されていなかったら、山下達郎さんはもしかしたら竹早高校ではなく別の高校に進学していたかもしれません。
都立竹早高校に進学していなければ、また違った人生になっていたかもしれないとご本人が語っていた事もある様です。
別の高校に進む事で人生が更に良くなったのか悪くなったのかは分かりませんが、竹早高校に進学した事は今の山下達郎を創ったルーツの一つである事は間違いなさそうです。
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1960年代はおりしも、学生運動が全盛期の世代です。
山下達郎さんが都立竹早高校に通っていた頃は、社会情勢の変化から様々な動きが見られた時期でもありました。
竹早高校も例外ではなく、学校としての機能が一時ストップしたり、学生集会が頻繁に行われたりと落ち着かない日常であった様です。
そんな時代背景もあり、山下達郎さんは勉学を中心とした高校生活よりも音楽活動と学生運動にのめり込んでいきます。
なんとか辛うじて竹早高校を卒業するも、進学先の明治大学は3か月で中退してしまいました。
もうこの頃にはすっかりミュージシャンとしての意識が定着しており、学歴に頼らない独自の人生を歩む決断をされていたのでしょう。
以前にもこちらの記事で書きましたが、2015年に亡くなられた渡辺英樹さん(C-C-Bのリーダー/ベーシスト・1960生まれ文京区出身)もそうでした。
http://www.northern70jp.tokyo/article/hidekiwatanabe.html
よろしければどうぞ。
山下達郎さんや渡辺英樹さんの様に、才能がある人、情熱を継続して夢を叶えるパワーを持つ人には学歴なんて必要ありません。
天から授かったその才能を充分に発揮し、大衆に夢や希望を与え貢献できる人物になる事。
これが出来る人はそう多くはありません。
特に文京区からミュージシャンやエンターティナーが生まれる事は珍しいです。
そんな中でも貴重な方々と言えるでしょう。
最近は、コロナ禍の影響もあってか若者の間でもバンドブームが下火になりつつあります。
シティポップと呼ばれた音楽はもはや懐メロとしてのジャンル扱いになっています。
今ではどちらかと言えばITの発達に伴い、音楽もボーカロイドやCG、2.5次元などを融合させたデジタル創作が主流になっている感じです。
ですが、ギターやベース等の生音を奏で、耳を使ってアナログで作曲し、サウンドを作り上げていく様な形式の音楽。
今どきの若者には古いと言われるかもしれませんが、デジタルだけでは出せない味わいや深みを感じます。
山下達郎さんの多重録音等の新しい試み(もう何十年も前の発明ですが)から生み出された数々の名曲。
これらの作品も、文京区出身の山下達郎さんから生まれたと思うと感慨深い物があります。
文京区は決してカルチャーの街とは言えないかもしれませんが、思いがけず素晴らしい芸術を生み出す才能が出没します。
未来の文京区にも、山下達郎さんや渡辺英樹さんみたいなカッコいいミュージシャンが生まれるといいですね。
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