都立中学合格者による、併願した私立中学の繰上げ合格者数の変動も(一部を除き)そろそろ見られなくなってきましたね。
難易度の高さや出願時の複雑さ等が周知されるようになり、現在では記念受検される児童はほぼいないかと思います。
都立中高一貫校の受検者数は一時期に比べると随分と落ち着きました。
ですが一定の割合を保つようになってきたとは言えまだまだ高倍率の狭き門です。
一見人数はそれほど変わらないように見えますが、これらの受検者層は10年前と今では随分と変化してきたように思えます。
今年度の東京都立小石川中等教育学校の大手塾別合格者数を調べてみました。
この合格者数のデータから一体何が読み取れるのでしょうか?
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今年度(2023年)の東京都立小石川中等教育学校の主な大手塾別合格者数です。
ENA 80名
SAPIX 51名
早稲田アカデミー 36名
栄光ゼミナール 17名
日能研 13名
早稲田進学会 35名
ENAは都立中高一貫校に特化した塾として有名ですので、合格者数も毎年不動のトップです。
今年も安定の数字を出しています。
この塾の合格者の特徴としては、都立小石川に限らずどの都立中にも強く、どの学校もほぼ同じ程度の合格者を出しています。
しいて言えば西側の学校の方がやや強いイメージですね。まぁ例年通りというか納得です。
小石川の募集人数って160名なのに半数の80名合格ってなんかおかしくない?
・・・って、その辺はあまりつっこまないであげて下さい^^;)キミの様な勘のいいガキは嫌いだよ。
今回注目してほしいのは、SAPIXの小石川合格者数です。
51名って、過去最高実績ですよね?
あれ、SAPIXって都立コースとか適性検査特訓講座とかあったっけ?
・・・そういう事ではなさそうですね。
SAPIXは他の都立中高一貫校ではこれほどの合格者を出していませんから。
SAPIXの他の都立中学の合格者数は大泉1名、白鷗3名、両国3名、富士5名、南多摩1名、三鷹4名とかなり少ない。
他に比べてやや偏差値高めの都立でも武蔵9名、桜修館10名、千代田区立九段13名です。
SAPIXは小石川だけやたら合格者が多い。
これってどう考えても、他の都立は出願数そのものが少ないって事ですよね。
つまり都立最難関の小石川を、従来の私立四科目受験型の学校と併願している児童が圧倒的に多いという事です。
高偏差値を誇る小石川を併願とする受験生は、おそらくSAPIX内でもαクラス等かなり上位の受験生かと思われます。
以前の記事でも書きましたが、小石川と私立御三家との併願が多い様です。
http://www.northern70jp.tokyo/article/kuriage.html
最難関私立に大勢の合格者を出して実績を上げているSAPIXですから、小石川との併願をする受験生が多いのも納得ですが、以前に比べて更にずっと多くなってきたという事ですよね。
トップクラスを目指す秀才たちが第一志望として小石川を選ぶ傾向が強くなってきたのでしょうか。これも時代の流れですね。
SAPIXだけではなく、早稲田アカデミーも小石川合格者36名は凄いです。
早稲田アカデミーの場合は都立中高一貫校コースがありますので都立合格者が多いのは分かります。
ですが早稲田アカデミーもどちらかと言えば難関私立校の合格実績に注目が集まる熱血系イメージの進学塾ですので、この数値をどう見るべきか考えさせられますね。
小石川合格者はSAPIX同様、難関私立との併願者が多いと見るべきでしょう。
早稲田アカデミーの都立合格者(小石川除く)は以下の通りです。
大泉9名、白鷗5名、両国6名、富士3名、南多摩4名、三鷹2名、武蔵15名、桜修館6名、九段11名
割合的にSAPIXと類似している気がしますね。
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栄光ゼミナールも都立中高一貫コースがありますが、コロナ禍以降は塾全体の規模縮小で教室を閉鎖するところが多く、ここ2、3年で合格実績をやや落とした感じがあります。
ですがやはり専門コースのある塾は強いです。
栄光ゼミナールは、都立合格者数の割合自体は安定しています。
都立に特化したコースでは合格者数業界2位ですね。
(他塾と同じ条件で正確な割合を算出したら、もしかしたら業界トップかもしれません)
小石川や他の都立に特化したE-Styleという学校別の専門コースも次々に誕生し、都立合格にも益々力を入れている様です。
日能研に関しては、都立中高一貫校にはあまり力を入れてない様ですので、この数値も納得です。
中堅校に強いと言われる日能研で、むしろ小石川に13名も合格者を出した事は評価されるべき事と思います。
そして最後に、小石川受検に強いと言われる早稲田進学会の実績をみてみましょう。
合格者35名は例年並みに多いですね。
早稲田進学会は他の大手塾とは少々異なり、講座別に授業が選択可能なちょっと特殊なスタイルの都立専門塾です。
日曜日や学校帰りのちょっとした空き時間に、受講したい授業をチョイスできるのは大きなメリットです。
大手塾や個別との掛け持ちをされている方が大半ではないでしょうか。
早稲田進学会も小石川合格者が他の都立合格者に比べてとびぬけて多いのですが、こちらの塾は小石川専門の講座もあり、徹底的に適性検査での受検対策に特化しています。
他の塾との掛け持ちが多いですので、合格者数も重複しているとは思いますが、この実績はさすがですね。
特にこちらの「そっくり模試」は定評あります。
都立受検に特化した適性検査型の模試を行っている業者は数少ないですが、中でも早稲田進学会のそっくり模試はかなり使えます。
本番と遜色ないクオリティの適性検査問題で模試を行い、実力のチェックが可能です。(※偏差値は出ません)
年明けの1月にも模試を行いますので、最後の腕試し肩慣らしにも使える模試です。
都立小石川中等教育学校の塾別合格者数を検証していると、いろいろと気づく事もありましたね。
この記事が都立合格を目指す未来の受検生の参考になれば幸いです。
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